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領域: 心理学・行動経済学・社会学カテゴリー: 理論・概念同義語: PERMAモデル, ポジティブ心理学の5要素

要約

マーティン・セリグマンが提唱した、ウェルビーイングを構成する5つの独立した要素(P, E, R, M, A)からなる多次元モデルである。

詳細解説

学術的・科学的定義

PERMAとは、マーティン・セリグマンが提唱したウェルビーイングの多次元モデルであり、Positive Emotion(ポジティブ感情)、Engagement(没入)、Relationships(良好な関係)、Meaning(意味)、Accomplishment(達成)の5要素から構成される。幸福を単一の感情や満足度に還元せず、人間がよく生きるための複数の柱として整理した点に特徴がある。

主要な機能・メカニズム

PERMAでは、各要素が独立しつつ相互に補完し合う。ポジティブ感情は日々の気分を支え、没入は活動中の充実を生み、良好な関係は安心と支援をもたらす。意味は人生の方向性を与え、達成は自己効力感や成長実感につながる。どれか一つだけで幸福を説明するのではなく、複数の要素をバランスよく育てることで、ウェルビーイング全体が安定しやすくなる。

混同しやすい概念との違い

PERMAは、SWB(主観的幸福感)とは異なる。SWBは感情的評価と人生満足を中心に測るが、PERMAは意味、没入、関係、達成など、幸福を構成する具体的領域を広く扱う。また、エウダイモニアに近い要素も含むが、快感や達成も含めるため、哲学的な善の概念そのものではなく、実証心理学で扱いやすいウェルビーイングモデルである。

科学化幸福論との関連性

本サイトにおける位置づけ

本サイトでは、PERMAを、幸福の測り方やモデルを比較する際の代表的枠組みとして位置づけている。SWBPWB心理的資本幸福の4因子などと並べることで、幸福が一つの尺度だけでは把握できないことを示す。PERMAは、幸福を感情、没入、関係、意味、達成という生活上の具体的領域へ分解するための実用的な地図になる。

幸福論における意味

PERMAの利点は、自分の幸福の偏りを見つけやすい点にある。楽しい感情はあるが意味がない、達成はあるが関係が乏しい、関係はあるが没入できる活動がない、といった状態を分析できる。これにより、幸福を漠然と求めるのではなく、どの要素を育てるべきかを具体的に検討できる。

読み解く際の注意点

PERMAを使う際には、5要素をすべて最大化すればよいと考えないことが重要である。人によって重視する要素や必要なバランスは異なる。また、達成やポジティブ感情を過剰に追えば、疲弊や比較につながることもある。PERMAは幸福の正解表ではなく、自分に合ったウェルビーイング構造を見つけるための比較軸として使うのが適切である。


References: Seligman, M. E. P. (2011) "Flourish: A Visionary New Understanding of Happiness and Well-being"
この概念を、別の入口から読む

この用語に関係する悩みや生活上の違和感は、「悩みから読む幸福論」でも整理しています。また、周辺概念や関連する専門用語は、用語集全体から探すことができます。

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