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PWB(心理的ウェルビーイング)

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領域: 心理学・行動経済学・社会学カテゴリー: 理論・概念同義語: PWB, 心理的ウェルビーイング, リフの6因子モデル

要約

キャロル・リフが提唱した、人間の可能性の実現と精神的な円熟に焦点を当てた多次元的な幸福モデルである。

詳細解説

学術的・科学的定義

PWB(Psychological Well-Being、心理的ウェルビーイング)とは、キャロル・リフが提唱した、人間の心理的成熟や潜在能力の実現に焦点を当てた幸福モデルである。自己受容、他者との肯定的関係、自律性、環境制御力、人生の目的、人格的成長という複数の側面から、単なる気分のよさではなく「よく機能している状態」としての幸福を捉える。

主要な機能・メカニズム

PWBは、人生に対する深い適応や成長を重視する。自己受容は過去や弱さを含めて自分を受け止める力であり、自律性は他者評価に過度に支配されず判断する力である。人生の目的は方向性を与え、人格的成長は変化し続ける感覚を支える。環境制御力や肯定的関係は、現実の生活を自分に合う形で整える力として働く。

混同しやすい概念との違い

PWBは、SWBとは異なる。SWBが本人の満足感や感情評価を中心にするのに対し、PWBは成熟、成長、目的、自律といった心理的機能を重視する。また、PERMAと重なる部分はあるが、PWBはより人格発達や自己実現に近い。気分がよいかどうかだけではなく、困難の中でも自分らしく機能し、成長できているかを問う点に特徴がある。

科学化幸福論との関連性

本サイトにおける位置づけ

本サイトでは、PWBを幸福の多因子モデルの一つとして、SWBPERMA比較する対象に位置づけている。幸福を「気分が良い」「満足している」だけでなく、自己受容、人生目的、自律性、成長の観点から見るための枠組みである。特に、幸福を短期的感情ではなく、人生全体の成熟として捉える際に重要な概念になる。

幸福論における意味

PWBの視点は、必ずしも楽ではない人生の中にも幸福の基盤があることを示す。困難を経験していても、自分を受け止め、目的を持ち、関係を築き、成長しているなら、その人のウェルビーイングは高まり得る。これは、快楽や満足だけでは説明できない、深い幸福や生きがいを理解するうえで重要である。

読み解く際の注意点

PWBを強調しすぎると、常に成長しなければならないという圧力になる可能性がある。自己受容や目的は重要だが、休息や感情的な快適さも必要である。また、PWBの要素は文化や人生段階によって意味が変わることがある。重要なのは、PWBを理想像として押しつけるのではなく、自分の現在地と成長可能性を確認するための視点として使うことである。


References: Ryff, C. D. (1989) "Happiness is everything, or is it? Explorations on the meaning of psychological well-being"
この概念を、別の入口から読む

この用語に関係する悩みや生活上の違和感は、「悩みから読む幸福論」でも整理しています。また、周辺概念や関連する専門用語は、用語集全体から探すことができます。

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