要約
ベンサムの功利主義を継承しつつ「快楽の質」を重視し、知的な喜びの価値を認めたイギリスの哲学者である。
詳細解説
人物・組織の概要と経歴
ミル(1806-1873)は、ベンサムの弟子でありながら、自身が精神的危機を経験したことから、単純な量的快楽主義に疑問を抱き、より人間的で高次な「質的快楽主義」へと功利主義を修正した。
代表的な主著・研究と功績
主著『功利主義』において、「満足した豚であるより、不満足な人間である方が良い」と述べ、快楽には質的な違いがあることを主張した。知性、感情、道徳心に基づく快楽は肉体的な快楽よりも価値が高いとし、個人の自由と自己実現を幸福の不可欠な要素とした。
科学化幸福論との関連性
本記事における文脈
幸福には「質」があることを説明するための重要な論拠として登場する。満足(ヘドニア)を超えた、人間らしい高次な幸福(エウダイモニア)を肯定する際に引用されている。
幸福への影響と実践的活用法
ミルの思想は、安易な快楽(低い質の快楽)に流されそうな時の道標となる。暇つぶしの娯楽よりも、知的な探求や他者の幸福を願う活動(高い質の快楽)を優先することが、結果として深い人間的幸福をもたらすという確信を持つことが重要である。
References: Mill, J. S. (1863) "Utilitarianism"

