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客観的成功

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領域: 心理学・行動経済学・社会学カテゴリー: 幸福の重要変数同義語: 社会的な成功, 地位財の獲得, 外部指標による成功

要約

高い社会的地位、豊かな経済力(高所得)、高学歴、名声など、外部から測定・確認可能な成功指標のことである。

詳細解説

一般的な意味と幸福学におけるアプローチ

客観的成功とは、他者との比較によって価値が規定される「地位財」の蓄積を指す。幸福学においては、この種の成功が一時的な高揚感(ヘドニア)をもたらす一方で、「快楽順応」が早く、持続的な幸福には結びつきにくい性質を持つと捉える。本記事では、この「成功の座」は物理的に極めて限定されており、同期の200人に1人(0.5%以下)といった狭き門であるという冷徹な統計的現実が提示されている。

幸福度を左右する科学的メカニズム

客観的成功を唯一の目標に据えると、常に「他者の最高潮」と比較し続ける無限の競争(踏み車)に陥る。これは脳内において慢性的ストレスを誘発し、自己効力感を「外部の評価」に委ねることになるため、精神的レジリエンスが脆弱化する。また、高学歴・高収入の集団内では周囲も同条件となるため、そこでの競争に敗れると自尊心が崩壊するリスクを孕む。幸福の源泉をこの10%の環境要因(客観的成功)に依存しすぎることが、現代人の不幸の主因とされる。

科学化幸福論との関連性

本記事における文脈

「成功すれば幸せになれる」という地図が示す、多くの人が目指すが達成困難な「狭き門」として紹介されている。期待と現実のギャップが最も生じやすい領域として位置づけられ、後述する「主観的成功」との対比に用いられている。

幸福への影響と実践活用法

客観的成功は、人生の「目的」ではなく、内発的目標を達成するための「付随的な結果」と位置づけるべきである。実践的には、自身の「勝算」を客観的に分析し、消耗のみが予想される競争からは戦略的に距離を置くことである。外的な成功を得た際も、それが順応で消えることを予期し、同時に「良好な人間関係」や「健康」といった非地位財の蓄積を並行して行うことが、人生全体の満足度を最大化させる鍵となる。


References: Frank, R. H. (1985) "Choosing the Right Pond", Diener, E., et al. (2010) "Wealth and happiness across the world"
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