要約
個人の理想や建前としての価値観(A軸)と、ストレスなく自然に感じる本音の価値観(B軸)を分離して測定し、自身の心的葛藤を可視化する独自の自己診断ツールである。
詳細解説
独自フレームワークの定義
価値観の二重診断とは、社会が推奨する「現代的価値観(成長、自由、流動性等)」への同調度と、自身の感性に根ざした「本音の心地よさ(安定、共感等)」の乖離を特定するシステムである。第1部で「理想」を、第2部で具体的状況下での「本音」をスコアリングし、その結果を「一致型」「葛藤型」「マイペース型」「探求型」の4象限にマッピングする。これにより、無意識にアクセル(理想)とブレーキ(本音)を同時に踏んでいる「ねじれ」の状態を論理的に解明し、不全感の正体を特定する。
開発の背景・目的と主要な構成要素
多くの人が現代社会のプレッシャー下で「しっくりこない」と感じながら生きている現状を打破するために開発された。目的は、自己肯定感を阻害する「社会の理想」という呪縛から本音を救出し、自分に最適な未来設計図(パーソナル・パス・デザイン)を描くための基礎データを得ることにある。KOKOROの貯水槽モデルにおいては、シェルター(防御壁)内部に生じている構造的な歪みを検知し、適切な支柱(価値観の再編)を立てるための精密検査の役割を担う。
科学化幸福論との関連性
本記事における文脈
幸福な未来予想を阻む「第2の障壁(ミクロの罠)」を乗り越えるためのメインツールとして紹介されている。未来を不安げに予測する受動的スタンスを、自身の本音に基づき主体的に「設計」する能動的スタンスへと転換させるための、出発点として位置づけられている。
幸福への影響と実践活用法
この診断を用いることで、自身を不当に責める「自己責任論」の罠から脱却できる。活用法としては、診断結果が「葛藤型」であれば本音の安定を最優先し、「探求型」であれば安全地帯を抜ける決断を下すなど、タイプ別の再設計ガイドに従うことである。また、「55歳の理想の火曜日」という長期的な物語(ナラティブ層)を現在の意思決定パートナーに据えることで、社会の風潮に左右されない強固な納得感を醸成し、持続的な人生満足度を確立させることが可能となる。
References: Haidt, J. (2012) "The Righteous Mind", Schwartz, S. H. (1992) "Universals in the content and structure of values"

