要約
私たちが何かに集中していない「ぼんやり」した時に活性化し、過去の記憶や未来のシミュレーション、自己参照的思考を行う脳内ネットワークである。
詳細解説
学術的・科学的定義
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とは、内側前頭前野、後帯状皮質、下頭頂小葉などの脳領域が同期して活動するネットワークである。脳の消費エネルギーの約60〜80%を占めるため、休んでいるつもりでも脳を激しく疲弊させる原因となる。主な機能は、断片的な情報の整理や自己意識の形成だが、現代では「反芻思考」の温床となりやすい。
重要な構成要素・メカニズム
核心は「不安と後悔の自動生成」にある。DMNが優位な状態では、脳は勝手に「過去の失敗」や「将来の不安」を検索し、物語を作り上げる。これが脳疲労を引き起こし、幸福感を阻害する。マインドフルネス(今、ここへの集中)は、このDMNの活動を抑制し、代わりに実行系ネットワーク(CEN)を活性化させることで、脳を真の意味で休息させるメカニズムを持つ。
科学化幸福論との関連性
本記事における文脈
本記事では、幸福度を下げる「脳の自動運転」の主犯として登場する。「ぼんやり」が休息にならない理由を科学的に解説し、瞑想などでこの暴走を止める戦略の重要性を説く。
幸福への影響と実践的活用法
DMNを制御することは、不要なエネルギー消費を抑え、精神的平穏を得るための必須技術である。活用法は、不安な考えがループし始めたら「DMNが暴走している」と気づき、即座に呼吸や指先の感覚などの「五感」に意識を移すことで、ネットワークを強制的に切り替えることである。意識的に「何もしない(DMN活動)」時間と「今に集中する(CEN活動)」時間のバランスを管理することが、脳の健康と幸福を両立させる。
References: Raichle, M. E. (2015) "The brain's default mode network"

