要約
イースタリン・パラドックスに反論を唱え、所得と幸福度の相関には明確な「飽和点」は存在せず、富が増えれば幸福度も上がり続けることを示した経済学者たちである。
詳細解説
人物・組織の概要と経歴
ベッツィ・スティーブンソンとジャスティン・ウォルファーズ(共にミシガン大学教授)は、経済学的なアプローチで主観的ウェルビーイングを研究する第一人者のカップルである。膨大な国際比較データを用い、経済成長が幸福をどう左右するかを再検証し続けている。
代表的な主著・研究と功績
代表的な功績は、2008年および2013年の論文で、所得と幸福度の相関には「閾値(飽和点)」が存在しないことを、対数スケールを用いて論証したことである。彼らの研究は、かつて通説だった「一定の年収を超えると幸せは増えない」という説を覆し、たとえ富裕層であっても所得の増加は幸福感の改善に寄与し続けるという「ノン・サティエーション(不飽和)」の原則を提示した。
科学化幸福論との関連性
本記事における文脈
本記事では、お金と幸福の関係を論じる際、従来の「飽和点」説に対する最新の有力な反論データとして登場する。お金の価値が無限であることを示唆する役割を担う。
幸福への影響と実践的活用法
彼らの研究は、キャリアの追求や経済的な豊かさを目指すことを肯定する根拠となる。ただし、実践法として重要なのは「上昇率」の視点である。所得が増えるほど幸福の「増分」を得るためのコストは上がるため、金銭という地位財だけでなく、時間の自由や人間関係などの非地位財とのバランスをどう取るかが、現実的な満足度最大化の鍵となる。
References: Stevenson, B., & Wolfers, J. (2013) "Subjective Well-Being and Income: Is There Any Evidence of Satiation?"

