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自律性/自己決定理論

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領域: 心理学・行動経済学・社会学カテゴリー: 幸福の重要変数同義語: Autonomy, 自己決定性, 心理的自由感, 自己一致 

要約

自らの行動を、外部の圧力や他者の期待からではなく、自分自身の価値観や意志に基づいて能動的に統制しているという主観的な実感である。

詳細解説

一般的な意味と幸福学におけるアプローチ

一般的な自律性は「独立」を指すが、SDTにおける「自律性(Autonomy)」は、他者に依存していても「その行動を自分から望んで行っているか(自己一致)」という感覚を重視する。幸福学において、自律性は主観的幸福度の最大の予測因子の一つであり、大阪大学の大竹文雄教授らによる日本人の大規模調査では、所得学歴などの地位財よりも「自己決定(自律性)」の方が幸福への影響力が大きいことが実証されている。

幸福度を左右する科学的メカニズム

自律性が保たれているとき、脳は内発的動機づけの状態になり、活動そのものから持続的な満足を得る。一方、自律性が損なわれると「やらされ感」が生じ、一時的な成功を収めても虚無感やストレスを招く。自律性は、他者との比較社会的比較)に左右されない「最強の非地位財」であり、快楽適応(慣れ)の影響を最も受けにくいため、長期的なウェルビーイングを安定させる。

科学化幸福論との関連性

本記事における文脈

幸福の扉を開ける「鍵」として定義されている。単なる「自由(外部の束縛がない状態)」と区別され、自らの価値観という羅針盤を頼りに主体的に道を選ぶ「能動的なプロセス」の核心として扱われている。

幸福への影響と実践的活用法

自律性の維持は、人生という物語の「作者」としての地位を取り戻すことに等しい。読者は、言いなりになるのではなく、与えられた役割の中に自分なりの意味を見出し、主体的に「意味づけ」を行うべきである。たとえ組織内であっても、自らのキャリアパスを主体的に考え、意思決定の領域を拡大していくことが、長期的な納得感(幸福)を得るための実践的なステップとなる。


References: Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2006) "Self-regulation and the problem of human autonomy", Ohtake, F. et al. (2018) "Self-Determination and Happiness in Japan"
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