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領域: 心理学・行動経済学・社会学カテゴリー: 理論・概念同義語: PsyCap, 心の資本, HERO 

要約

フレッド・ルーサンスが提唱した、個人の業績やウェルビーイングを高めるための4つのポジティブな心理的状態の総称である。

詳細解説

学術的・科学的定義

心理的資本(Psychological Capital, PsyCap)とは、組織心理学の文脈で開発された概念であり、(1)Hope:希望、(2)Efficacy:自己効力感、(3)Resilience:レジリエンス、(4)Optimism:楽観性、の4要素(頭文字でHERO)からなる。これは固定的な性格特性ではなく、トレーニングや意図的な介入によって「開発・向上可能(State-like)」な心理的リソースであると定義される。

重要な構成要素・メカニズム

4つの因子は相互に作用し、シナジーを生み出す。「道筋を見出す力(希望)」と「自分ならできるという確信(自己効力感)」が挑戦を促し、「逆境からの回復(レジリエンス)」と「肯定的な予期(楽観性)」が持続を支える。実証研究では、心理的資本の高い個人は仕事のパフォーマンス、満足度、組織コミットメントが有意に高く、離職率やストレスが低いことが示されている。開発可能性に焦点を当てた、極めて実践的な幸福の枠組みである。

科学化幸福論との関連性

本記事における文脈

「主体的な介入と開発可能性」に焦点を当てたモデルとして、好意的に紹介されている。幸福を自らの意志でコントロールし、向上させるためのユニークで説得力のある因子構成を持つと評価されている。

幸福への影響と実践的活用法

幸福を「開発可能な能力」と捉え直すことで、現状打破の活力が生まれる。活用法としては、HEROの各要素を意識したワーク(成功体験の想起、目標設定の細分化等)を生活や業務に取り入れることである。自身の「心の資本」を増強させることで、外部環境の不確実性に左右されず、能動的に成果と幸福を勝ち取るための精神的基盤を確立できる。


References: Luthans, F., et al. (2007) "Positive psychological capital: Measurement and relationship with performance and satisfaction"
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