要約
困難や逆境に直面した際に、それを乗り越えて適応し、精神的な健康を回復、あるいは以前より成長させる能力である。
詳細解説
学術的・科学的定義
レジリエンス(Resilience)とは、物理学の「弾性」に由来する心理学用語である。単にストレスに耐える強さ(頑強さ)だけでなく、困難を経験した後に元の状態に戻る「回復力」と、そこから学びを得て成長する「外傷後成長(PTG)」の側面を含む。これには、自己効力感、楽観性、感情制御、社会的なサポートなどの多面的な要素が関与している。
重要な構成要素・メカニズム
レジリエンスのメカニズムは、脳の前頭前野による扁桃体の制御能に依存する。過去の成功体験や、困難を乗り越えたという「自伝的記憶」が、自己同一性の核となって自信を供給する。また、過去の肯定的な記憶が「精神的な安全基地」として機能し、コルチゾールの過剰分泌を抑え、状況を冷静に再評価(リフレーミング)することを可能にする。
科学化幸福論との関連性
本記事における文脈
幸福増幅メカニズムによって構築される「心の防壁」として位置づけられている。良い記憶の蓄積が、将来の病気や別れといった困難に耐えうるレジリエンスの基盤になると説かれている。
幸福への影響と実践的活用法
レジリエンスを高めることは、人生の不確実性に対する最大の幸福戦略である。実践的には、過去の「小さな成功体験」を意図的に想起し、自分の強みを再確認する習慣を持つことが有効である。また、困難を「自分の物語」における重要な成長エピソードとして再定義することで、精神的なダメージを軽減し、前向きな適応を促進できる。
References: Southwick, S. M., & Charney, D. S. (2012) "Resilience: The Science of Mastering Life's Greatest Challenges"

