要約
エド・ディーナーが体系化した、個人の人生に対する感情的な評価と認知的な評価を統合した幸福の指標である。
詳細解説
学術的・科学的定義
主観的幸福感(Subjective Well-Being, SWB)とは、ポジティブ感情(喜び等)の頻度、ネガティブ感情(悲しみ等)の少なさ、および人生満足度(認知的評価)の3つの要素から構成される。外部の客観的条件とは独立し、本人が自らの人生をどう感じ、どう評価しているかという主観を重視する。現代幸福学において最も普及している標準的な測定モデルであり、多くの学術研究の基礎となっている。
重要な構成要素・メカニズム
SWBは「大胆な割り切り」を特徴とする。複雑な人生の諸相(健康、富、記憶等)はすべて、最終的に個人の「感情」と「満足度」に集約されると捉え、簡潔な指標での測定を可能にした。脳科学的には報酬系と情動制御系のバランスを反映しており、健康、長寿、仕事の生産性などと強い正の相関があることが膨大な実証実験で確認されている。一方で、一時的な気分に左右されやすい側面も持つ。
科学化幸福論との関連性
本記事における文脈
現代幸福学の「不動の基礎」および「共通言語」として位置づけられている。複雑な幸福の諸相を測定可能にするための枠組みとして、他の多因子モデルと比較する際のベンチマークとして紹介されている。
幸福への影響と実践的活用法
自身のSWBを把握することは、幸福構築のスタート地点となる。活用法としては、日々のポジティブ・ネガティブ感情の推移をモニタリングし、人生満足度尺度(SWLS)等を用いて自己の現状を客観視することである。感情に振り回されるのではなく、それを「データ」として扱うメタ認知的視点を持つことで、幸福度を安定させるための具体的な調整(環境改善や意図的活動)が可能となる。
References: Diener, E. (1984) "Subjective well-being"

