カテゴリー

シロクマのリバウンド効果/シロクマ効果

ホーム用語集シロクマのリバウンド効果/シロクマ効果
領域: 心理学・行動経済学・社会学カテゴリー: 理論・概念同義語: White Bear Effect, 皮肉的意図過程, Ironic Process Theory

要約

特定の思考を「抑圧しよう」と努力するほど、かえってその考えが脳に強く意識され、離れなくなってしまう現象である。

詳細解説

学術的・科学的定義

心理学者ダニエル・ウェグナーが提唱した。特定の考えを消そうとすると、脳内では「実行プロセス(思考の排除)」と「監視プロセス(排除できているかの確認)」が同時に働く。この監視プロセスが対象を検索し続けるため、結果的にその思考がリバウンドして強化される。

重要な構成要素・メカニズム

この効果は、不安や嫌な記憶を「理性的」にコントロールしようとする際に顕著に現れる。嫌な出来事を「忘れよう」とする理性の介入が、皮肉にもその記憶を美化または定着させ、反芻思考(ぐるぐる思考)を長引かせる原因となる。

科学化幸福論との関連性

本記事における文脈

理性の「感情の抑圧と否認」が生むエラーとして紹介されている。悲しみや不安を「理性的でない」と否定し、無理に抑え込もうとする行為が、かえって精神的な苦痛を増幅させ、うつ状態や身体症状を引き起こすメカニズムとして解説されている。

幸福への影響と実践的活用法

ネガティブな感情を力技で排除するのをやめ、ありのままに受容(認容)する姿勢が求められる。感情に「悲しみ」「不安」と名前をつける(ラベリング)ことで、監視プロセスの暴走を止め、理性と感情の適切な調和を図ることが、心の安寧を取り戻す鍵となる。


References: Wegner, D. M. (1994) "Ironic processes of mental control"
シェアする