
【学術データ】イースタリン・パラドックス,所得の飽和点,通勤時間の不効用に関する論文集
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[意思決定の3つの罠]:比較・現在バイアス・適応の仕組みを知り、幸福を遠ざける選択を防ぐ方法(メイン記事へ)
[生活基盤と幸福の設計]:所得・貯蓄・役職の閾値を理解し、未来への我慢を最適化する方法(メイン記事へ)
記事に使用した各種の学術研究・論文(その2)(重要度★☆☆)
幸福度に影響を与える経済的要因の学術データを集約。イースタリン・パラドックス(幸福のパラドックス)の追試研究、所得と貯蓄の飽和点、役職や学歴、ブルシット・ジョブ、通勤時間とウェルビーイングの関係についての主要論文と知見を解説します。
イースタリン・パラドックスの研究と追試研究の学術解説
イースタリン・パラドックス(幸福のパラドックス)の学術研究
イースタリン・パラドックス(幸福のパラドックス)とは
イースタリンのパラドックスとは、リチャード・イースタリンが1974年に発表した論文「Does Economic Growth Improve the Human Lot? Some Empirical Evidence」の中で主張した経済成長と幸福度の関係に関するパラドックスです。
代表的な学術研究
- Easterlin, R. A. (1974). Does economic growth improve the human lot? Some empirical evidence. In P. A. David & M. W. Reder (Eds.), Nations and households in economic growth: Essays in honor of Moses Abramovitz (pp. 89-125). Academic Press.
イースタリン・パラドックス(幸福のパラドックス)の再検証のための学術研究
イースタリン・パラドックスの再検証
イースタリンのパラドックス提示後、多くの研究者によって追試や再検証が行われ、様々な結果が出ています。特にポジティブ心理学の分野では、人間の幸福やウェルビーイングに焦点を当て、幸福度と経済成長の関係について多くの研究が行われてきました。
代表的な学術研究
- Diener & Biswas-Diener (2002)
- Diener, E., & Biswas-Diener, R. (2002). Will money increase subjective well-being? A literature review and guide to needed research. Social Indicators Research, 57(2), 119-169.
- 世界83カ国を対象とした研究で、国民一人当たりGDPと主観的幸福度の間に正の相関関係があることを発見した。
- この結果は、イースタリンのパラドックスに反するものであり、経済成長は国民の幸福度を高める。
- Stevenson & Wolfers (2008)
- Stevenson, B., & Wolfers, J. (2008). Economic growth and subjective well-being: Reassessing the Easterlin paradox. Brookings Papers on Economic Activity, 2008(1), 1-87.
- 豊富なデータを基に、経済成長に伴って所得水準が高くなることにより個々人の幸福度も増すことを示し、イースタリンに反論した。彼らの研究では、国レベルでも個人レベルでも、所得と幸福度の間に正の相関関係が見られた。
- Kahneman & Deaton (2010)
- Kahneman, D., & Deaton, A. (2010). High income improves evaluation of life but not emotional well-being. Proceedings of the National Academy of Sciences, 107(38), 16489-16493.
- アメリカの45万人を対象とした大規模な調査を行い、所得と幸福度の関係を分析した。その結果、所得が7万5千ドル(当時のレートで約800万円)までは幸福度が上昇するものの、それ以上の所得増加は幸福度にほとんど影響を与えないことを発見した。
- この結果は、「幸福の飽和点」の存在を示唆しており、ある程度の所得水準を超えると、さらなる経済成長は幸福度向上に貢献しない可能性を示している。
- Helliwell, Layard, & Sachs (2019)
- Helliwell, J. F., Layard, R., & Sachs, J. D. (2019). World Happiness Report 2019. New York: Sustainable Development Solutions Network.
- 世界幸福度報告書を作成し、各国の幸福度ランキングを発表した。
- 彼らの研究では、社会的な支援、健康寿命、人生の選択の自由、寛容さ、腐敗の少なさなど、経済成長以外の要素も幸福度に大きく影響する。
関連する学術研究
日本では以下の調査があります。しかし、これらの研究から「幸福のパラドックス」が完全に証明されたとは言えないことに留意が必要です。
- 国民生活基礎調査: 厚生労働省が実施しているこの調査では、生活の満足度や幸福感に関する質問が含まれる。
- 過去のデータを分析した研究では、所得と幸福度の関係は、ある程度の所得水準までは正の相関があるものの、一定水準を超えると相関が弱くなる傾向が見られる。
- 幸福度に関する研究会: 内閣府が2011年に開催したこの研究会では、所得と幸福度の関係について議論された。
- 報告書では、「家計(所得・消費)」を重要事項と考える人ほど幸福度が低いという分析結果が示された。これは、所得の増加が必ずしも幸福度の向上に繋がらないことを示唆している。
なお、所得が7万5千ドル(当時のレートで約800万円と上記で記載しましたが、昨今の格差の拡大やインフレ等の動向が含まれておらず、その金額は日本円で1.5倍程度である1,200万円になっていておかしくないと筆者は考えています。
その他の研究: 個々の研究レベルでは、所得と幸福度の関係を分析したものは多数存在します。これらの研究結果も、概ね一定以上の所得は幸福度に大きな影響を与えないという傾向を示しています。
[イースタリン・パラドックス]:所得増加が幸福度に寄与しなくなる「飽和点」の経済学的根拠(メイン記事へ)
ブルシット・ジョブや高額報酬の落とし穴の学術解説
概念の解説の学術解説
ブルシット・ジョブとは、無意味で不必要な、あるいは有害でさえあると当事者が密かに信じている有給の仕事のことです。この概念は、人類学者であり無政府主義者のデヴィッド・グレーバーによって、2013年のエッセイ「ブルシット・ジョブの現象について」で初めて提唱されました。このエッセイは後に書籍『ブルシット・ジョブ:理論』(2018年)に発展しました。
グレーバーは、ブルシット・ジョブは主に、管理職、事務職、サービス業などのホワイトカラーの職業に集中していると主張しています。これらの仕事は、多くの場合、退屈で、士気を低下させ、精神的健康に有害であると述べています。また、ブルシット・ジョブは、社会全体にとっても有害であると考えています。なぜなら、それらは、社会に実際に貢献する仕事から資源を浪費するからです。
ブルシット・ジョブの代表的な仕事の学術解説
グレーバーは、ブルシット・ジョブには5つの主なタイプがあると主張しています。
- 取り巻き(Flunkies): 他人を偉そうに見せたり、偉そうな気分にさせたりするためだけに存在する仕事。例:受付、ドアマン
- 脅迫屋(Goons): 雇い主に積極性が必要なために存在し、他人を傷つけたり欺いたりする要素を持つ仕事。例:ロビイスト、企業弁護士、テレマーケター、広報担当者
- ツギハギ屋(Duct tapers): 組織に存在する解決可能な問題のために、一時しのぎで対処するために存在する仕事。例:フルタイムでバグを修正するプログラマー、航空会社のデスクスタッフ
- 書類穴埋め屋(Box tickers): 組織が実際にはやっていない何かをやっていると主張できるようにするためだけに存在する仕事。例:パフォーマンスアナリスト、社内ジャーナリスト、コンプライアンス担当者
- タスクマスター(Taskmasters): 他人に仕事を割り当てるためだけに存在する仕事、ブルシット・ジョブを監督する仕事。例:中間管理職、リーダーシップの専門家
代表的な学術研究
- YouGovによる世論調査 (2015年)
- YouGov. (2015, August 12). Most British people think their jobs are meaningless. Retrieved from
- 実施した世論調査結果を公表。正式な研究論文ではない。
- イギリスの成人を対象に、自分の仕事が世界に有意義な貢献をしているかどうかを尋ねた世論調査。37%が自分の仕事は有意義な貢献をしていないと回答。50%が有意義な貢献をしていると回答。13%がわからないと回答。
- Ipsos/Public Firstによる調査 (2021年)
- Ipsos、Public First. (2021). Socially Useless Jobs.
- 実施した世論調査結果を公表。正式な研究論文ではない。
- 概要: 4つの異なる国(イギリス、オランダ、フランス、ポーランド)で労働者を対象に、自分の仕事が社会に役立っているか、またどれだけ役立っているかを問う調査。
- 15%が自分の仕事は社会に役立っていないと感じていると回答。17%がわからないと回答。21%が自分の仕事は社会に少ししか役に立っていないと感じていると回答。
- イギリスでは、オランダ、フランス、ポーランドよりも多くの労働者が自分の仕事は社会に役立っていないと感じている。
- オランダの労働者を対象とした研究 (Brendan Burchellら、2023年)
- オランダの労働者を対象に、グレーバーのブルシット・ジョブのタイプ分けを用いて、仕事が無意味であると感じる割合を調査。
- 4.8%が自分の仕事は「ブルシット・ジョブ」であると認識している。
- 特に「取り巻き」や「タスクマスター」のタイプの仕事に従事する労働者が、自分の仕事を無意味と感じる傾向が強い。
- 自分の仕事を「ブルシット・ジョブ」だと認識している人は、そうでない人に比べて、心理的ストレスや健康問題のリスクが高い。
関連する学術研究
ブルシット・ジョブに直接該当しなくても、高額の報酬を得ている人の中には、自分の仕事に意味を感じられない人がいる。
- Payoneerによるフリーランサー調査 (2020年)
- Payoneer. (2020). Freelancer Income Report 2020.
- 世界150か国以上、7,000人以上のフリーランサーを対象にした調査。高収入を得ているフリーランサーでも、仕事の意義や目的意識の欠如を感じている人がいることが示唆されています。
- 高収入のフリーランサー(時給50ドル以上)の約20%が、自分の仕事に「目的意識」を感じていないと回答。特に金融や法律などの専門職に従事するフリーランサーは、他の職種に比べて仕事の意義を感じにくい傾向がある。
- ハーバード・ビジネス・レビューの記事 (2021年)
- Indeedによる仕事満足度調査 (2019年)
- Indeed. (2019). Indeed’s Top-Rated Workplaces: Best in Job Happiness.
- 様々な職種における仕事の満足度を調査。金融やコンサルティングなどの高収入の職種は、必ずしも仕事の満足度が高いわけではない。
- 仕事の意義や社会貢献は、収入と同じくらい重要な要素である。
- 研究論文 “Financialization and the shifting social contract: evidence from qualitative research in the City of London” (2016年)
- ロンドンの金融街で働く人々にインタビューを行い、金融化が仕事の意義や社会契約にどのような影響を与えているかを調査。
- 高収入を得ている金融業界の従業員の中には、自分の仕事が社会的に無意味であると感じている人がいる。
- 金融化の進展は、短期的な利益追求を重視する文化を生み出し、仕事の意義や社会貢献を軽視する傾向を強めている。
[労働の意義と精神的充足]:充実感・退屈感とブルシット・ジョブ(メイン記事へ)
その他の財的因子(非物的財や物的財)の学術研究
貯蓄額と幸福度に関する学術研究
代表的な学術研究
- 貯蓄と幸福度の調査
- Netterstrom & Suetens (2010): デンマーク人を対象とした研究で、貯蓄額が多いほど、生活満足度や主観的幸福感が高い。貯蓄は将来の不安を軽減し、心理的な安心感をもたらすため、幸福度にプラスの影響を与える。
- Headey, Muffels, & Wooden (2008): オーストラリア、イギリス、ドイツ、オランダのパネルデータを用いた研究で、貯蓄を含む資産が生活満足度に大きく影響する。特に、資産の増加が満足度の向上につながる。
- Brown & Gray (2016): イギリスの家計パネル調査を用いた研究で、特に低所得層において、貯蓄があることで幸福度が高まる。貯蓄は経済的なセーフティネットとなり、予期せぬ出費や失業などのリスクに対する備えとなるため、特に低所得層の幸福度向上に寄与する。
- 所得と貯蓄の比較調査
- Johnson & Krueger (2006): アメリカ人を対象とした研究で、収入よりも純資産(貯蓄を含む)の方が、生活満足度に強く影響している。収入は生活水準を向上させる一方で、消費欲求を高め、他人との比較を生み出すため、必ずしも幸福度に直結しない。
- Mogelonsky (2013): “Americans’ Feelings About Their Finances”という調査報告書で、収入よりも貯蓄額の方が生活満足度に大きく影響する。特に、緊急時への備えとなる貯蓄は、安心感をもたらし、幸福度に貢献する。
- Xiao, Chen, & Sun (2020): 中国の家計調査データを用いた研究では、収入よりも資産、特に流動資産(貯蓄など)が幸福度に強い正の影響を持つ。これは、特に経済が発展途上の段階では、貯蓄が経済的な安定と安心感をもたらし、幸福度向上に大きく寄与する。
[所得と感情的満足の相関]:年収1,200万円(7万5千ドル)で幸福度が頭打ちになる米国調査の全容(メイン記事へ)
関連する学術研究
- 野村資産形成研究センターの調査
- 2022年に野村資産形成研究センターが20~59歳の男女1,000人を対象に行った「ファイナンシャル・ウェルネス(お金の健康度)アンケート」である。
- 幸福度・満足度の高い人は、貯蓄額・金融資産保有額共に高い傾向にあり、金融リテラシーも高い傾向が見られた。
- 一方、幸福度・満足度の低い人は、貯蓄額も金融資産保有額も半数近くが把握していない。
- 内閣府の調査
- 内閣府が2019年に実施した「満足度・生活の質に関する調査」では、年収3,000万円以上になると幸福度がピークを迎え、それ以降はむしろ減少傾向が見られる。
- 貯蓄額1,000万円未満の世帯では、貯蓄額が増えるほど幸福度も上昇する傾向にあります。1,000万円以上の貯蓄額になると幸福度の増加は緩やかになり、3,000万円以上5,000万円未満でピークを迎える。
- 5,000万円以上の貯蓄額になると、幸福度は横ばい、もしくは緩やかに下降する傾向が見られる。
- 年収1億円以上の世帯は、700万円以上1,000万円未満の世帯よりも幸福度が低い。
これらの調査結果から、貯蓄額と幸福度の間には正の相関関係があると言えるでしょう。ただし、貯蓄額が多いほど幸福度が高いというわけではありません。 ある程度の貯蓄額があれば安心感や将来への備えとなり、幸福度を高める効果が期待できますが、過度に貯蓄に執着しすぎると、かえって生活の質を落とす可能性もあります。
貯蓄はあくまで手段であり、目的ではありません。 自分にとって適切な貯蓄額を把握し、バランスの取れた生活を送ることが大切です。
なお、所得については、単に裕福さの指標と言うより、個人の承認欲求や社会的貢献度の代替指標の性格を持つのに対し、貯蓄については、直接的な競争の対象とはならず、純粋に裕福さの指標となるため、幸福の内容は相当異なることに留意が必要です。
[日本における所得と幸福度]:年収1億円以上の世帯で幸福度が低下する、国内特有の調査結果(メイン記事へ)
[貯蓄額と将来不安の解消]:資産5,000万円を境に幸福度が横ばいになる「安心感の閾値」の検証(メイン記事へ)
会社の役職・地位に関する学術研究
代表的な学術研究
- Blanchflower, D. G., & Oswald, A. J. (2004). Well-being over time in Britain and the USA. Journal of Public Economics, 88(7-8), 1359-1386.
- イギリスとアメリカのデータを分析し、ジョブ・コントロール(仕事の裁量権)が高い人ほど、幸福度が高いという結果であった。社長は、ジョブ・コントロールが高いポジションと言える。
- Deci, E. L., & Ryan, R. M. (2000). The “what” and “why” of goal pursuits: Human needs and the self-determination of behavior. Psychological Inquiry, 11(4), 227-268.
- 自己決定理論の基礎を築いた論文。自律性の重要性を強調し、自己決定が可能な活動に従事する方が、幸福度やウェルビーイングが高い。
- Kasser, T., & Ryan, R. M. (1996). Further examining the American dream: Differential correlates of intrinsic and extrinsic goals. Personality and Social Psychology Bulletin, 22(3), 280-287.
[権力欲求と出世競争]:役職が自己決定権を高める一方で、敗者を生むゼロサムゲームの弊害(メイン記事へ)
労働時間に関する調査の学術研究
代表的な学術研究
- 「働き方改革の影響 Vol.1 労働時間の短縮は幸福度を高めるか – パーソル総合研究所」: 労働時間と生活満足度の関係を分析。
- 労働時間が長いほど、生活満足度は低下する傾向がある:
- 週労働時間が長くなるにつれて、生活満足度は低下する。
- 特に、週60時間以上の労働では、生活満足度の低下が顕著に見られた。
- 労働時間の長さは、ワーク・ライフ・バランスの悪化と強い関連がある:
- 労働時間が長いほど、ワーク・ライフ・バランスが取れていないと感じる人の割合が高くなる。
- これは、労働時間の長さが、仕事と私生活の両立を困難にしていることを示唆している。
- 適切な労働時間(週40時間程度)は、生活満足度を高める可能性がある:
- 週40時間程度の労働時間で、生活満足度が比較的高い傾向が見られた。
- これは、適度な労働時間によって、仕事と私生活のバランスが取れ、充実した生活を送ることができる可能性を示唆している。
- 労働時間の短縮は、幸福度の向上に繋がる可能性がある:
- 労働時間が長すぎると、健康面や精神面への悪影響。
- 労働時間を適切に管理し、短縮することで、ワーク・ライフ・バランスが改善し、結果的に幸福度が高まる可能性がある。
- 労働時間が長いほど、生活満足度は低下する傾向がある:
- 「労働時間と満足度 ―日英独の比較研究―」: 日本、イギリス、ドイツの労働時間と満足度の関係を比較。
- 早稲田大学の黒田祥子教授と法政大学の山田久教授の調査
- 労働時間と仕事満足度の関係は、国によって異なる:
- 日本では、労働時間が長くなるにつれて仕事満足度が低下する傾向が顕著に見られる。
- イギリスとドイツでは、労働時間と仕事満足度の間に明確な負の相関は見られない。むしろ、一定の労働時間までは満足度が上昇するU字型の関係が見られる場合もある。
- 日本は長時間労働にも関わらず、仕事満足度が低い:
- 3カ国の中で、日本は最も長時間労働の傾向が強く、かつ仕事満足度が最も低い。
- これは、日本の労働環境や働き方に特有の問題が存在する可能性を示唆している。
- 「働きがい」の感じ方の違いが影響している可能性がある:
- 日本では、長時間労働=会社への貢献・忠誠 と捉えられがちであり、自己犠G的な働き方が美徳とされる文化が残っている。
- 一方、イギリスやドイツでは、労働時間は成果を出すための手段と捉えられ、効率性や生産性が重視される傾向にある。
- このような「働きがい」に対する認識の違いが、労働時間と満足度の関係に影響を与えている可能性がある。
- 裁量労働や柔軟な働き方の影響:
- イギリスやドイツでは、裁量労働制やフレックスタイム制など、柔軟な働き方が比較的普及している。
- これらの制度は、労働者が自身の仕事量をコントロールしやすく、仕事満足度の向上に寄与している可能性がある。
- 日本でも、裁量労働制などの導入が進められているが、形骸化している場合も多く、労働時間の短縮や満足度向上に繋がっていないケースも見られる。
- 仕事の自律性や裁量権の重要性:
- 仕事の自律性や裁量権が高いほど、労働時間が長くても満足度が高くなる傾向がある。
- 特に、ドイツではこの傾向が顕著に見られた。
- これは、労働者が自身の仕事に対してコントロール感を持っていることが、満足度を高める上で重要であることを示唆している。
- 大石亜希子氏による「労働時間が仕事満足度・幸福度に与える影響 – J-Stage」(日本労働研究雑誌 No.608/May 2011):
- 労働時間の長さは、男女ともに仕事満足度と主観的幸福度の両方に負の影響を与える。
- 労働時間の影響は、男女で異なる可能性がある。女性の方が労働時間の増加が満足度や幸福度に与える影響が大きい。
- 労働時間は、ワーク・ライフ・バランスの媒介を通じて、間接的に仕事満足度や主観的幸福度に影響を与える。
- 仕事満足度は、主観的幸福度に大きな影響を与える。仕事満足度が高い人ほど、生活全体に対する幸福感も高い傾向にある。
関連する学術研究
- OECDの調査: 労働時間が長くなると、生活満足度が低下する傾向が見られる。
- 日本の研究: 週労働時間が40時間を超えると、幸福度が低下し始めるという研究結果がある。
- パーソル総合研究所の調査: 労働時間が長くなると、睡眠不足やストレスが増加し、生活満足度が低下する。
[労働時間と生活の質]:収入維持と時間確保のトレードオフ、過剰労働が幸福を阻害するメカニズム(メイン記事へ)
通勤時間に関する調査の学術研究
代表的な学術研究
- Stutzer & Frey (2008):
- スイスのデータを用いた研究で、通勤時間が長いほど生活満足度が低いことを報告。この研究では、通勤による不効用を補うためにはかなりの収入増が必要であると試算している。
- Kahneman & Krueger (2006):
- アメリカ人女性を対象とした調査で、通勤は一日の中で最も不快な活動の一つであると報告。
- 英国国家統計局 (ONS):
- 通勤時間と主観的ウェルビーイングに関するデータを定期的に収集し、分析している。
- 特に、通勤時間が60分から90分の人は、15分以内の人と比較して、生活満足度、価値ある活動をしているという感覚、幸福感が低く、不安感が高いと報告されている。90分以上の通勤では、さらにその傾向が強まる。
- 通勤に1時間以上かけている人において、通勤時間が1分増えるごとに幸福感が下がる。
- 日本の国土交通省:
- 毎年「全国都市交通特性調査」を実施し、通勤・通学の実態を調べている。
- ニッセイ基礎研究所の調査: 「通勤時間と幸福度の関係-リモートワークの拡大で幸福度は高まるか? | ニッセイ基礎研究所」
- 片道の通勤時間が90分以上の人は、片道の通勤時間が90分未満の人に比べて幸福度が低い傾向がある。
- OECDの調査:
- OECD加盟国のデータを分析した結果、通勤時間が長い人ほど、生活満足度やウェルビーイングが低い傾向が見られた。
関連する学術研究
- 「通勤時間と幸福度の関係性を?時間を短くする方法を紹介 | ジモクル」: 通勤時間が長いことによるストレスや幸福度への影響について解説。
- 「通勤時間の平均はどのくらい?長時間通勤によるリスクや幸福度との関連性を解説 – Izul」: 長時間通勤のリスクと幸福度との関連性について解説。
通勤手段も幸福度に影響を与えます。
- 公共交通機関での通勤は、特に混雑する時間帯や遅延が多い場合、ストレスが高く幸福度を低下させやすいです。
- 自家用車での通勤も、渋滞や駐車場探しによるストレスが幸福度に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 自転車や徒歩での通勤は、運動不足の解消やストレス軽減につながり、幸福度を高める効果が期待できます。ただし、安全性や天候などの条件に左右されます。
通勤時間と幸福度の関係を改善するための取り組み
- リモートワーク: リモートワークは、通勤時間を削減し、自由時間や家族との時間を増やすことができます。
- 時差出勤: 時差出勤を利用することで、通勤ラッシュを避けることができます。
- 自転車通勤: 自転車通勤は、運動不足解消にもなり、ストレス軽減にも効果が期待できます。
- 住居の変更: 職場に近い場所に住むことで、通勤時間を短縮することができます。
- 通勤時間の有効活用: 通勤時間を読書や勉強、趣味などに活用することで、時間を有効に使うことができます。
[通勤ストレスの深刻な影響]:45分以上の移動が心身の健康や離婚率、幸福度を著しく下げる理由(メイン記事へ)
学歴に関する調査の学術研究
代表的な学術研究
学歴と幸福度の関係は中立であるという研究
- 大竹文雄教授「日本の不平等 ―格差社会の幻想と未来」(日本経済新聞出版社)における研究
- この研究では、所得、年齢、性別、健康状態、婚姻状況など、幸福度に影響を与える可能性のある様々な要因をコントロールした上で、学歴と幸福度の関係を分析した。
- その結果、以下の点が明らかになった。
- 学歴と幸福度の間には正の相関関係がある。 つまり、学歴が高いほど幸福度も高い傾向がある。
- しかし、この相関関係は、所得の影響を除くと有意ではなくなる。 つまり、学歴が高い人は所得も高い傾向があり、高所得であることが幸福度に繋がっている可能性が高い。
- 学歴の影響を細かく見ると、短大卒と大学院卒は有意な差がない。 幸福度に与える影響が最も大きいのは文系大学卒で、理系大学卒、大学院卒、各種学校卒は同程度の影響を持っている。
- “Does Education Increase Happiness? Evidence from Europe” (Nikolai Frijters, Paul Gregg, and Almudena Sevilla, 2012)
- この研究では、ヨーロッパ14カ国のデータを分析し、教育と幸福度の関係を調べた。
- 教育水準が高いほど幸福度も高い傾向があるものの、所得、健康状態、雇用状況などを考慮すると、教育と幸福度の関係は有意ではなくなる。
- “The Causal Effect of Education on Health: What is the Role of Health Behaviors?” (Giorgio Brunello, Margherita Fort, Nicole Schneeweis, Rudolf Winte 1 r-Ebmer, 2016)
- この研究では、オーストリアのデータを分析し、教育と健康の関係を調べた。
- 教育水準が高いほど健康状態も良好である傾向があるものの、健康行動(喫煙、飲酒、運動など)を考慮すると、教育と健康の関係は弱まる。
- 健康状態は幸福度に大きな影響を与える要素の一つであるため、この研究結果は、教育と幸福度の関係を考える上でも示唆に富む。
学歴よりも重要な要素があるという研究
- 「社会関係資本と幸福度に関する研究」 (内閣府経済社会総合研究所)
- この研究では、学歴、所得、健康状態、社会関係資本といった様々な要素が幸福度に与える影響を分析した。
- 社会関係資本、つまり、信頼、互酬性、ネットワークといった社会的なつながりが、学歴や所得よりも幸福度と強い正の相関を持つ。
- 「Well-being, Insecurity and Social Comparison: An Experimental Study」 (Clark, Frijters, & Shields, 2008)
- この研究では、経済状況、不安、社会比較といった要素が幸福度に与える影響を、実験を通して分析した。
- 経済的な不安は幸福度を低下させる可能性がある一方、社会比較は幸福度に複雑な影響を与える。他人と自分を比較する傾向が強い人は、学歴が高いとしても、必ずしも幸福度が高いとは限らない。
- 「Personality and Subjective Well-Being: A Meta-Analysis」 (DeNeve & Cooper, 1998)
関連する学術研究
学歴と幸福度は正の相関があるという研究
所得の影響を排除しなければ、以下の結論となる研究が多くあります。
- 学歴が高いほど、就業機会や収入が増加し、社会的地位や自己肯定感も高まる傾向があるため、幸福度にも良い影響を与えるという考え方。
- 高等教育を受けることで、批判的思考力や問題解決能力などの認知能力が向上し、人生における困難やストレスにうまく対処できるようになり、幸福度が高まるという考え方。
[学歴と社会的序列の罠]:所得要因を除けば、高学歴が必ずしも高い幸福度に直結しない心理的背景(メイン記事へ)
富裕層は孤独であるとする調査の学術研究
代表的な学術研究
- Spectrem Groupの調査 (2013年)
- 米国の富裕層を対象とした調査で、43% が「孤独を感じている」と回答。
- 特に、超富裕層(純資産500万ドル以上)では、孤独を感じている割合が50%に達するという結果が出た。
- The Economist Intelligence Unitの調査 (2018年)
- 世界の富裕層を対象とした調査で、39% が「孤独を感じることがよくある」と回答。
- 孤独を感じる理由としては、「周囲に本当の自分を理解してくれる人がいない」「嫉妬や妬みを持たれる」「お金目当てで近づいてくる人が多い」などが挙げらる。
- Allianz Life Insurance Company of North Americaの調査 (2020年)
- 米国の富裕層を対象とした調査で、3分の1 が「経済的な成功によって孤独感が増した」と回答。
- 特に、ミレニアル世代の富裕層では、この傾向が顕著。
関連する学術研究
- “The Loneliness of the Long-Distance Runner” 症候群
- 成功した起業家や経営者に多く見られる現象で、目標を達成し、高い地位を得た後に感じる虚無感や孤独感を指す。これは、目標達成のために人間関係を犠牲にしたり、周囲からの嫉妬や孤立を経験したりすることが原因と考えられる。
- ロバート・パットナムの「孤独なボウリング」(Bowling Alone, 2000)
- 社会学者ロバート・パットナムは、アメリカ社会における「社会関係資本」の減少を指摘した。
- 社会関係資本とは、人々の間の信頼関係やネットワークを指し、これが減少すると社会全体の孤立化が進む。
- 富裕層は、経済的な成功のために多忙な生活を送り、地域社会とのつながりが希薄になりやすく、孤独を感じやすい環境にある。
- 定性的研究 (インタビュー調査など)
- 富裕層を対象としたインタビュー調査では、「お金では買えないものがある」「本当の友人かどうか分からない」「周囲から妬まれる」といった、富裕層ならではの孤独感や人間関係における悩みが報告されている。
マイホームに関する調査の学術研究
代表的な学術研究
幸福度に中立とする研究
- Nakazato, N., Schimmack, U., & Oishi, S. (2011). Effect of changes in living conditions on well-being: A prospective top-down bottom-up model. Social Indicators Research, 100(1), 115-135.
- 日本人対象のパネル調査を使用。住宅購入を含む生活環境の変化が幸福度に与える影響を検証。
- 住宅購入は一時的に幸福度を向上させるが、その効果は長続きしないことを示唆。
- 個人の性格特性や価値観も幸福度の変化に影響を与える。
- Dunn, E. W., Gilbert, D. T., & Wilson, T. D. (2011). If money doesn’t make you happy, then you probably aren’t spending it right. Journal of Consumer Psychology, 21(2), 115-125.
- 「ドイツ社会経済パネル調査(SOEP)」を用いた研究
- ドイツの大規模なパネルデータであるSOEPを用いた研究でも、住宅購入後の幸福度の変化について、一時的な上昇の後にベースラインに戻るというパターンを示すものがいくつかある。
- ただし、結果は研究によって多少異なり、適応の程度や期間にはばらつきが見られる。
幸福度に寄与するとする研究
- Bucchianeri, G. W. (2014). The American dream, or the American delusion? The private and external benefits of homeownership. Journal of Housing Economics, 24, 113-128.
- アメリカのデータを用いた研究で、マイホーム所有が生活満足度に正の影響を与え、その効果は時間とともに減少せず持続することを示しています。
- この研究では、マイホーム所有がもたらすプライバシーの向上、居住の安定性、社会的地位の向上などが幸福感に寄与している可能性を指摘しています。
- Rossi, P. H., & Weber, E. (1996). The social benefits of homeownership: Empirical evidence from national surveys. Housing Policy Debate, 7(1), 1-35.
- アメリカの複数の調査データを用いて、マイホーム所有と社会的利益の関係を分析。
- マイホーム所有は、近隣への愛着、地域社会への参加、社会的信頼などを高め、間接的に幸福感に寄与する可能性を示唆。
- Dietz, R. D., & Haurin, D. R. (2003). The social and private micro-level consequences of homeownership. Journal of Urban Economics, 54(3), 401-450.
- マイホーム所有は、住宅への投資、子どもの教育成果の向上、市民参加の増加など、幸福感にプラスの影響を与える様々な要素と関連していることを指摘。
- マイホーム所有の社会的・私的な影響を包括的にレビュー。
- Zumbro, T. (2014). The long-term implications of homeownership for well-being in Germany. Housing Studies, 29(4), 525-542.
- 「ドイツ社会経済パネル調査(SOEP)」のデータを用いて、ドイツにおけるマイホーム所有と幸福度の長期的な関係を分析。
- マイホーム所有は、特に高齢期において、生活満足度と正の相関を示す。居住の安定や経済的な安心感が、その理由として考察されている。
関連する学術研究
- LIFULL HOME’S総研が2019年に発表したレポート “住宅幸福論Episode.1『住まいの幸福を疑え』”
- このレポートでは、持ち家か賃貸か、新築か中古かといった従来のハウジング・ラダー(住宅すごろく)的な価値観にとらわれず、「暮らし」を重視した住まい選びが重要だと提唱しています。
- 宗健氏と新井優太氏による “住まいが主観的幸福度に与える影響”
- 上記の論文(2018年)でも、1万人以上のデータを分析した結果、住居形態(持ち家か賃貸か)は主観的幸福度に影響を与えない という結論。
- アメリカにおける調査: マイホーム所有者は、賃貸住宅居住者よりも幸福度や楽観性が高いという結果。
- 内閣府の「国民生活に関する世論調査」では、持ち家の人は賃貸住宅の人よりも生活満足度が高い傾向が見られます。
- イギリスの調査: C家の人は、賃貸住宅の人よりも精神的な健康状態が良いという結果が出ています。
一般的に言えること
- 一般的な傾向: 多くの調査で、マイホーム所有者は賃貸住宅居住者よりも幸福度が高い傾向が見られます。
- 所有による安心感: マイホームは、「自分の城」という感覚を与え、安定感や安心感をもたらします。
- 自由度の向上: 間取りや内装を自由に決めたり、ペットを飼ったり、DIYを楽しんだりと、賃貸住宅よりも自由度が高くなります。
- 地域社会への愛着: マイホームを持つことで、地域社会への愛着や帰属意識が高まり、コミュニティ活動への参加意欲も高まる傾向があります。
幸福度を高める住宅の特徴
- 快適な住環境: 広さ、間取り、日当たり、静けさなど、快適な住環境は幸福度に大きく影響します。
- 自然とのつながり: 庭やベランダでガーデニングを楽しんだり、自然の光や風を感じられる住宅は、幸福度を高める効果があります。
- 地域とのつながり: 地域コミュニティと繋がりやすい環境は、幸福度を高める上で重要です。
- 家族とのつながり: 家族が快適に過ごせる空間や、家族間のコミュニケーションを促進するような間取りは、幸福度を高めます。
新しい学生寮と古い学生寮の割り当てに関する研究
また、新しい学生寮に割り当てられた学生は、住居環境に対する満足度は高い傾向があります。しかし、それが全体的な幸福度に影響するかどうかは、様々な要因が絡み合い、一概には言えないとする調査研究もあります。
- Wilson, T. D., & Gilbert, D. T. (2008). Explaining away: A model of affective adaptation. Perspectives on Psychological Science, 3(5), 37 1 0-386.
- 人は新しい環境に適応する能力が高く、当初は大きな喜びや不満を感じても、次第に慣れてしまう傾向がある。新しい寮に住む喜びも、時間とともに薄れていく。
- Diener, E., & Seligman, M. E. P. (2002). Very happy people. Psychological Science, 13(1), 81-84.
- 非常に幸福度の高い人々は、強い社会的なつながりを持っている。
- 古い寮での共同生活は、社会的なつながりを育む上で有利な環境と言える。
[マイホーム所有と幸福の相関]:住環境への適応と、生活満足度に寄与する真の要因(メイン記事へ)
高級腕時計の研究の学術解説
代表的な学術研究
- Van Boven, L., & Gilovich, T. (2003). To do or to have? That is the question. Journal of Personality and Social Psychology, 85(6), 1193-1202.
- 物質的なもの(高級腕時計など)よりも、経験(旅行やコンサートなど)にお金を使った方が、より長く幸福感が持続する。
- Solberg, E. C., Diener, E., ∼¥ Robinson, M. D. (2004). Why are materialists less satisfied? Journal of Personality and Social Psychology, 86(1), 107-117.
- 物質主義的な価値観を持つ人は、そうでない人に比べて幸福度が低い傾向がある。
- 高級腕時計のような物質的なものを追い求めることは、幸福度を低下させる可能性も示唆。
- Nowlis, S. M., Mandel, N., & McCabe, D. B. (2004). The effect of a delay between choice and consumption on consumption enjoyment. Journal of Consumer Research, 31(3), 502-510.
- 何かを購入する際に、すぐに手に入れるよりも、少し待つことで、消費の喜びが大きくなる。
- 高級腕時計のような高価なものを購入する際は、じっくりと時間をかけて検討することで、より満足度が高まる可能性がある。
[物質的所有と満足の限界]:高級腕時計などの「モノ」への投資が幸福に与える限定的効果(メイン記事へ)
【学術的根拠の検証(検索ポータル)】
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▼ 記事の主要な参照文献リスト(ワンクリック検証)
- Easterlin, R. A. (1974). Does economic growth improve the human lot? 学術検索
- Kahneman, D., & Deaton, A. (2010). High income improves evaluation. 学術検索
- Stutzer, A., & Frey, B. S. (2008). Stress that doesn't pay: The commuting paradox. 学術検索
- Graeber, D. (2018). Bullshit Jobs: A Theory. 学術検索
- Easterlin, R. A., et al. (2010). The happiness-income paradox revisited. 学術検索
- Stevenson, B., & Wolfers, J. (2008). Economic growth and subjective well-being. 学術検索
- Layard, R. (2005). Happiness: Lessons from a New Science. 学術検索
- Sacks, D. W., et al. (2012). The new stylized facts about income and well-being. 学術検索
- Clark, A. E., et al. (2008). Relative income, happiness, and utility. 学術検索
- Veenhoven, R., & Hagerty, M. (2006). Rising happiness in nations 1946–2004. 学術検索
