公認会計士/経営コンサルが真面目に「幸福概念」を追求

哲学、心理学の他、脳科学、遺伝学、各種統計などを融合
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1.幸福論の枠組み

🔒 【PERMA】SWB、心理的資本…あなたに合う「幸せの測り方」は?10理論完全比較

あなたに最適な幸福の物差しはどれか。PERMAモデルや主観的幸福感など主要な10の学術得枠組みを徹底比較。それぞれの特徴を知り、自分の価値観にフィットした幸福追求の形が見つかるガイド。

PERMASWB心理的資本…あなたに合う「幸せの測り方」は?10理論完全比較

【共同研究について】 本分野にご興味をお持ちで、専門知識や学位のある方と情報交換などができればと考えております。 ※すべてのお問い合わせへの返信はお約束できかねます。あらかじめご了承ください。 [お問い合わせフォームへ]

学術から考えるその他の幸福の枠組み(重要度★★★:MAX)

本記事では、上記の『学術から考えるその他の幸福の枠組み』について、解説を加えます。より踏み込んだ専門的な内容については、記事内のリンクから詳細記事をご覧いただけます。

この記事の要約

【ここを開く】
  • 心理学における幸福の概念は、SWB、PERMA、心理的ウェルビーイングなど、多角的かつ学術的に定義されており、それぞれのモデルが幸福の異なる側面を強調しています。
  • 各モデル(SWB/PERMA/心理的資本/幸福の4因子など)は、提唱者、構成因子、実証実験の対象が異なり、これらの比較を通じて自分に合った幸福追求の枠組みを見つけることができます。
  • 主観的幸福感(SWB)モデルは、測定の簡潔さから多くの研究の基礎となっていますが、幸福の全体像を把握するためには、多因子モデル(PERMAなど)の洞察も重要です。

問題提起・結論・理由

【ここを開く】
問題提起
「幸せになりたい」と願うのは、私たち人間にとって普遍的な欲求です。しかし、「幸せ」とは一体何でしょうか? 心理学の世界では、「幸せ」をどのように定義し、測定しているのでしょうか? 様々な幸福モデルが存在しますが、それらは何を明らかにしようとしているのでしょうか?
結論
本稿では、心理学における主要な幸福モデルを紹介し、それぞれのモデルが幸福のどのような側面を捉えようとしているのかを解説します。
理由
幸福に関する研究は、これまで数多くのモデルを提案してきました。各モデルは幸福の異なる側面を強調しており、その多様性を理解することは、幸福の全体像を把握し、自分自身の幸福を追求するためのヒントを得ることにつながります。
証拠も用いて詳しく解説をしていきます。

幸福の枠組みを説明するモデル

(参考)モデル全体の要約

幸福モデル名 提唱者 主要構成因子(核心概念)
ビックセブン リチャード・レイヤード 家族、経済、仕事、コミュニティ、健康、自由、価値観
SWBモデル エド・ディーナー 感情的幸福(ポジティブ/ネガティブ感情)、認知的幸福(満足度)
PERMAモデル マーティン・セリグマン Positive Emotion, Engagement, Relationships, Meaning, Accomplishment
心理的ウェルビーイング キャロル・リフ 自己受容、個人的成長、人生の目的、環境制御、自律性、他者関係
心理的資本 (PsyCap) フレッド・ルーサンス 自己効力感、希望、レジリエンス、楽観性(HERO)
幸福の4因子 前野 隆司 やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく

幸福の概念を構造化する、いくつかの主だったモデルを紹介します。紹介するツールは、それぞれがとても良く考えられており、優れた考え方であると一定の評価を得ており、モデルを実証する実験も、比較的多くされています。既に別稿で詳細な解説をしているため解説を省くモデル

本稿で紹介するモデル

  1. ビックセブン(リチャード・レイヤード)
  2. 主観的幸福(SWB)モデル(エド・ディーナー)
  3. 人生(生活)満足度(SWLS)モデル(エド・ディーナー)
  4. Authentic Happiness Model(本物の幸福モデル)(マーティン・セリグマン)
  5. PERMAモデル(マーティン・セリグマン)
  6. 心理的ウェルビーイングモデル(キャロル・リフ)
  7. 心理的資本モデル(フレッド・ルーサンス)
  8. Flourishing Model(繁栄するモデル)(ハーバード大学)
  9. Well-being Model(ギャラップ社)
  10. 「幸福の4因子」モデル(前野 隆司)

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ビックセブン(リチャード・レイヤード)

  • 提唱者: リチャード・レイヤード (Richard Layard)
  • 幸福の構造と因子:
    1. 家族関係 (Family relationships): 配偶者、子供、親、兄弟姉妹などとの良好な関係。
    2. 経済状況 (Financial situation): 収入、資産、経済的安定性。
    3. 仕事 (Work): 仕事の満足度、雇用状況、仕事と生活のバランス。
    4. コミュニティと友人 (Community and friends): 地域社会とのつながり、友人関係。
    5. 健康 (Health): 身体的および精神的な健康状態。
    6. 個人の自由 (Personal freedom): 自分の人生を自分でコントロールできる感覚、自己決定権。
    7. 個人的価値観 (Personal values): 人生における意味や目的、精神性。
  • 特に重要な因子: 精神的な健康(mental health)
  • 各種実証実験で言えたこと:
    • 所得の増加が幸福度に与える影響は、ある一定レベルを超えると限定的になる(イースタリン・パラドックス)。
    • 社会的なつながり(家族、友人、コミュニティ)は、幸福度に強く影響する。
    • 精神的な健康は、幸福度の重要な予測因子である。
  • デメリット:
    • 7つの因子が網羅的であるかどうかについては議論の余地がある。
    • 個人の主観的な幸福感だけでなく、客観的な指標(健康状態、経済状況など)も重視しているため、幸福の定義が曖昧になる可能性がある。

ビック・セブン(リチャード・レイヤード)についての学術研究はこちらをクリック

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主観的幸福(SWB)モデル(エド・ディーナー)

  • 提唱者: エド・ディーナー (Ed Diener)
  • 幸福の構造と因子:
    • 感情的幸福: ポジティブ感情の頻度が高く、ネガティブ感情の頻度が低いこと。
    • 認知的幸福: 人生の様々な領域(仕事、人間関係など)への満足度と、人生全体への満足度。
  • 特に重要な因子: 上記2因子のバランス
  • 各種実証実験で言えたこと:
    • SWBは、健康、長寿、良好な人間関係、仕事の生産性などと正の相関がある。
    • 遺伝的要因、性格特性、環境要因がSWBに影響を与える。
  • デメリット: 幸福の多様な側面を十分に捉えきれていないという批判がある。また、文化的な違いを十分に考慮していない可能性も指摘されている。

主観的幸福感の3要素モデル(エド・ディーナー (Ed Diener) 博士)についてはこちらをクリック

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人生(生活)満足度(SWLS)モデル(エド・ディーナー)

  • 提唱者: エド・ディーナー (Ed Diener)
  • 幸福の構造と因子:
    • 人生全体に対する認知的な評価。5つの項目で測定される。
      1. ほとんどの面で、私の人生は私の理想に近い。
      2. 私の人生の状態は素晴らしい。
      3. 私は自分の人生に満足している。
      4. 私はこれまでの人生で、自分が望む大切なものを得てきた。
      5. もう一度人生をやり直せるとしても、ほとんど何も変えないだろう。
  • 特に重要な因子: 人生全体に対する肯定的な評価
  • 各種実証実験で言えたこと:
    • SWLSは、他の幸福度指標と高い相関がある。
    • SWLSは、時間経過や状況の変化に対して比較的安定している。
  • デメリット: 人生の特定の側面に対する評価を捉えきれていない。個人の価値観や文化の違いによる影響を受けやすい。

人生満足度尺度 (Satisfaction With Life Scale: SWLS) についてはこちらをクリック

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この記事に関するよくある質問

Q.なぜ『PERMA』や『SWB』など、幸福を測る理論がこれほど多いのですか?
A.幸福は感情的な満足から、自己実現、意味の追求まで極めて多面的だからです。セリグマン、ディーナー、リフらが提唱する各モデルは、人生のどの側面(因子)を重要視するかという『幸福の物差し』のバリエーションを提示しています。
Q.自分に最適な『幸福の物差し(モデル)』を知らないことのリスクは?
A.自分の内面的なOS(価値観)に合わないモデルに基づいた努力を続け、結果として幸福度が上がらない『価値観のミスマッチ』が起きる点です。自分がどの理論に近い人間かを診断することで、努力の方向性を最適化できます。
Q.ポジティブ心理学の主要10理論を比較・分析するメリットは何ですか?
A.世間に溢れる断片的な幸福論を客観的なデータで精査し、自分だけの納得解を構築できる点です。Flourishing(繁栄)への条件を網羅的に理解することで、迷いのない自己実現とウェルビーイングの達成が可能になります。
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